後見人制度とは? | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする法律事務所
2017年6月1日

後見人とは、未成年者や知的障害などにより判断能力が欠如している人物に置かれる援助者のことをいいます。本人の代わって法的行為を行うことができる法定代理人の立場となる人物です。
後見人となる人物は、両親のいない子供の親代わりとなったり、認知症の高齢者の財産管理を行ったりするため、被後見人との絶対的な信頼関係が必要です。
今回は、後見制度の概要や選任と任務終了について簡単にご紹介します。

後見人

二つの後見人

後見人は、未成年後見人と成年後見人の二つに分けることができます。

未成年後見人

未成年に対しておかれる後見人を未成年後見人といいます。未成年後見人は、親権のない未成年者や、親権者に財産管理権がない場合に選出されます。簡単にいうと両親に代わって、子供を養育する人物です。
親権のない未成年者に対して置かれる未成年後見人は、親権とほぼ同一の権利が与えられることになります。親権者は別にいて、親権者が財産管理権を有していない場合には、未成年後見人には財産管理権のみ与えられることになります。

成年後見人

精神障害により事理の弁識する能力が欠けている人物に代わって、法律行為を行うことができる人物のことをいいます。成年後見人には、代理権、取消権、財産管理権、療養看護義務が与えられます。ただし、一部権利は制限されており、居住用の不動産に関する権利や一身専属的な権利の代理や取り消しなどは、家庭裁判所の許可が必要です。
法定後見人と任意後見人の2種類の制度があり、すでに判断能力の欠如がみられる場合には法定後見人、判断能力が欠如する前に決められる場合には任意後見人となります。

後見人の選任

後見人の選任は、基本的には家庭裁判所によって行われることになります。後見人は、複数人の選任や法人の選任も可能です。

未成年後見人

未成年後見人は、親権者が指定するケースと、親族などの関係者による申し立てにより家庭裁判所が選任するケースがあります。親権者が指定する場合は、遺言書に残す方法のみ認められています。それ以外の場合は家庭裁判所によって選任されます。

成年後見人

本人や配偶者、四親等内の親族の申し立てにより、家庭裁判所が選任します。申し立ての際には、申立書や医師の診断書などの書類提出が必要です。弁護士による代理作成や代理申し立ても認められています。

後見人の終了

下記の事由により、後見人の任務は終了します。

辞任

後見人の辞任は、本人の申し立てに基づく家庭裁判所の許可が必要となります。自由に辞任することはできず、重病や海外転勤による長期不在、服役などの正当な理由が必要となります。後見人が自分だけだった場合には、同時に新しい後見人の選任の申し立てを行わなければなりません。

解任

後見人に不正行為や後見人として相応しくない行為があった場合には、被後見人や親族、検察官の請求により後見人を解任することができます。例えば、職務怠慢、財産の勝手な使い込み、犯罪行為などがあった場合には、家庭裁判所に解任の申し立てを行うことで解任することができます。同時に、新しい後見人の選任申し立ても必要です。

その他

被後見人の死亡の他、未成年被後見人の場合は、成人、婚姻した時点で任務終了します。また後見人が破産者となった場合や被後見人と訴訟で争うことになった場合にも任務終了となります。

後見人の報酬

未成年後見人や成年後見人に第三者が選任された場合には、家庭裁判所の審判で決められた額だけ被後見人の財産から報酬が支払われることになります。報酬金額については、任務期間、任務内容、被後見人の財産額によって家庭裁判所が判断します。下記は、裁判所が公開している成年後見人報酬額の目安です。管理財産額によって目安額が設定されています。

成年後見人の報酬目安

管理財産額 成年後見人報酬
~1,000万円 月額2万円
1,000万円~5,000万円 月額3~5万円
5,000万円~ 月額5~6万円

弁護士による後見人も

後見人となるのは、親族や関係者だけではなく信頼のおける第三者でも可能です。中でも、弁護士、司法書士、社会福祉士など、専門的な知識を持つ専門職後見人という選択肢もあります。
報酬額が高くなってしまうことがデメリットではありますが、後見人候補が見つからない場合には検討してみてはいかがでしょうか。