親権を手放すことはできるの? | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年5月31日

親権は、子供を産んだ両親に与えられた権利であり義務でもあります。放棄しようと思っても簡単にできるものではなく、それ相応の事情が必要です。親権を手放すケースとして、どのような事情が考えられるのでしょうか。

親権放棄

親権を失う3つのケース

親権は父親と母親の共同による行使が原則とされていますが、やむを得ない事情により両親どちらの手からも親権が離れることがあります。
両親ともに親権を失うケースには、親権停止、親権喪失、親権辞任の3つのパターンがあります。 親権の濫用によって子供の利益に反すると判断された場合、関係者の申請により親権停止又は親権喪失の手続きを行うことができます。また、親権者本人による親権辞任の申し立て手続きも存在します。

親権停止

父親又は母親による親権の行使によって、子供の利益が損害されると判断された場合、一時的に親権を停止する事ができます。子供本人や子供の親族、児童相談所長などが家庭裁判所へ申し立てることで2年以内の期限を設けて停止することができます。
例えば、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトなどの児童虐待によって適切な養育ができないと判断された場合です。 親権停止中には、未成年後見人が選出されます。

親権喪失

親権停止よりも事態が深刻で、2年以内の原因消失が見込めない場合には、親権喪失の申し立てによって親権を失わせることができます。
親権喪失後には後見が開始されます。

親権辞任

親権者に重病や長期の海外出張、服役など、やむを得ない事情がある場合には、家庭裁判所への申し立てにより親権の辞任を行うことができます。家庭裁判所が、親権があることで子供に深刻な害を与えていると判断した場合には、親権が辞され未成年後見人が選出されることになります。子供に与える影響は大きいため、15歳以上の場合には本人の意思も尊重されます。

監護権の変更

親権は義務でもありますので、そう簡単に放棄することはできません。前述のように、重病や長期不在などやむを得ない事情でなければ基本的には認められません。
経済的な理由により子供を養育することができないという場合には、親権を手放す以外にも監護者の変更の手続きという手段もあります。

監護権とは

監護権は親権の一部であり、子供と同居し育てる権利です。監護権は親権から切り離すことができ、父親や母親以外の第三者にも与えることができます。第三者の監護者として多いのは、祖父母、両親の兄弟姉妹、児童福祉施設所長などです。
親権自体は両親又はどちらか一方に残ることになります。

監護権変更の手続き

監護者変更の手続きは、当事者間の協議によって可能です。市町村への届け出などは不要なため、トラブルを防ぐためにも書面に残すことが必要です。

親権の回復

親権の停止や辞任をした場合、その原因が解消し、家庭裁判所の許可が下りれば親権の回復をすることもできます。ただし審査は非常に厳しく、仮に再度手放すことがあれば二度と戻ってくることはないでしょう。
親権に関する手続きは、子供の利益を第一に考えて慎重に行いましょう。
また親権の変更や回復についてのトラブルは、一人で悩まずに弁護士へ相談しアドバイスを受けることも可能です。必要があれば利用しましょう。