財産分与の基本ルール | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年5月24日

離婚時にお互いの財産を分配する財産分与は、法律上で認められている権利です。家や車など、これからの生活に大きく影響する事柄であるため、きっちりと清算する必要があります。
財産分与の対象となる財産分与には、清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与の3つの考え方があります。
財産分与の基本ルールについてご紹介します。

財産分与

財産分与の対象となるのは?

財産分与では、婚姻期間中に夫婦二人で築き上げてきた財産が対象となります。

対象となる期間

婚姻期間中に得た財産が対象となります。結婚前の同棲期間中の預金や、婚姻中でも別居期間に得た財産については対象外となります。
また、財産分与について請求できる期間は離婚後2年以内と定められています。

共有財産

共有財産として認められるのは、所有名義問わず夫婦が共同で作り上げてきた財産です。夫婦のどちらかが相続で得たような特有財産は、財産分与の対象となりません。二人の財産が対象となるので、実家の裕福さは分与額に影響しません。
また、夫婦が別々に家計を管理している場合、特有財産とみなされるため財産分与の対象にはなりません。

共同負債

マイホームや車のローンなど、共同生活をする上で発生した負債についても、財産分与の対象となります。プラス財産と相殺した額を分配することになります。個人的な趣味で発生した負債については対象となりません。
負債額が財産額を上回っている場合には、財産分与の対象となりません。一方には負債が残り、もう一方には1円も支払われないということになります。

退職金

退職金は、労働の対価として支払われるものです。退職金のうち、婚姻期間に応じた額については夫婦の共有財産としてみなされます。公務員など退職金の支払いが確実なほど、対象となる可能性が高くなります。

保険

生命保険も財産分与の対象となります。別居時点の解約返戻金額が財産額となります。子供名義の保険についても夫婦の共有財産とみなされます。

へそくり

へそくりが明らかになった場合には、共有財産として財産分与の対象となります。

財産分与の割合の決め方

共有財産の分け方には、清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与の3つの考え方がります。

清算的財産分与

財産分与において最も主流な方法が、清算的財産分与です。分配する割合は1/2ずつを基本とし、夫婦の貢献度に偏りがある場合には、それに応じて修正されていきます。例えば、夫の一方の収入額が極端に多い場合には、夫に高い貢献度が認められ、割合も大きくなります。有責による離婚の場合には、別途慰謝料を請求することができます。

扶養的財産分与

離婚後に経済的な困窮が予想される配偶者を考慮した考え方です。扶養的財産分与では、経済的優位のある配偶者による援助という意味合いが強くなります。
有責度、再就職や再婚の見込み、身体の健康さ、双方の資産状況によって判断されます。被扶養者側が有責となる場合には、分与が認められない又は減額となる可能性が高くなります。

慰謝料的財産分与

有責配偶者がいる場合に、財産分与を慰謝料代わりとする考え方です。財産分与額が慰謝料の算出額に満たない場合にのみ、不足分として別途慰謝料の請求ができます。
有責配偶者の場合、財産分与と慰謝料をまとめることで支払総額が少なくなる可能性はありますが、無責配偶者にとっては財産分与とは別に慰謝料を算出したほうが多くもらえる可能性が高いため、メリットはありません。

具体的に算出するのは難しい

互いの貢献度を数値化するのは難しく価値観も人それぞれのため、公平な財産分与はとても難しいことです。基本的には2分の1ルールを用いることが多く、例外と判断されるのは特殊な事情が認められる場合のみです。
また、お互いの申告をもとに共有財産を明らかにしていくため、へそくりなど最後まで隠し通される財産もあるかもしれません。事前の情報収集が鍵となります。
請求期間も2年と限られているため、争いが長期化しそうな場合や分与額に納得がいかない場合には、早めに弁護士へ相談しましょう。