最強の証書「公正証書」の効力とは | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年5月18日

口約束はトラブルの元です。特に金銭が関わってくる契約については言った言わないのトラブルが起きやすく、署名捺印付きの書面に残すことは契約ごとの慣習にもなっています。たかが紙ですが、いざ訴訟となった際には重要な証拠となります。
しかし世の中には、それ自体に勝訴判決と同じ効力を持つ最強の証書があります。それが公正証書です。公正証書は、離婚慰謝料や相続関係など骨肉の争いになりやすいケースで用いられることが多く、最も確実で安全な証明手段となります。

最強

公正証書とは

公正証書とは、公証人という法律専門職の公務員によって作成された公文書のことをいいます。公証人に任命されるのは元裁判官や元検察官が多く、いずれも長年法曹界に身をおいていた法律のプロです。公証人に作成された公正証書は、記載された内容に高い信憑性が認められ、有力な証拠となります。

公正証書のメリット

公正証書を作成するメリットは次の通りです。

事前にトラブルを避けることができる

公正証書はいざという時に役立つものですが、公正証書の作成自体が牽制にもなるため、トラブルの防止にも繋がります。

高い有効性を持つ

高度な知識を持つ公証人によって作成されたものですから、形式的な不備によって契約が無効になることはありません。また裁判においても有力な証拠となります。

紛失や改変の心配がない

作成された公正証書の原本は、公正役場に保管されるために紛失や改変の恐れがありません。保管期限は基本的に20年と定められています。確定期限のある契約についての公正証書については、期限到来から10年間保管されます。遺言書など不確定期限のものは半永久的に保管されることが多いようです。

強制執行力を持つ

どうしても支払ってもらえなくなった場合、通常の書面では訴訟を起こして確定判決を得るなど強制執行までにはかなりの時間と労力を要します。一方公正証書には確定判決と同様の効力があるため、金銭の不払いが起きた際には、公正証書を債権名義として直ちに強制執行手続きを行うことができます。ただし、予め内容に執行認諾約款を盛り込む必要があります。

公正証書が無効になるケース

公正証書はどんな場合にも有効であるわけではありません。下記は作成が認められない、又は無効になってしまうケースです。

未成年や被後見人が単独で行った契約

未成年が公正証書を作成するためには、親権者などの法定代理人が行うか、または法定代理人の同意書が必要です。未成年だけでなく、制限行為能力者についても同様です。

強制執行ができないもの

内容に執行認諾約款を盛り込んでいない公正証書では強制執行を行うことはできません。また、強制執行の対象となるのは、下記のうちいずれかの給付を目的とする債権契約のみとなります。したがって不動産の引き渡しや面会交流権に関する契約などは強制執行の対象外となります。

強制執行の対象となる契約
・一定額の金銭の支払い
・一定数量の金銭代替物
・一定数量の有価証券

遺言能力のない者による遺言

頷く、首を振るしかできないなど、遺言者が口授できない状態の場合、公正証書での遺言を作成することは出来ません。手話や筆談であれば問題ありません
また、15歳未満や、痴呆や病気などで意思疎通能力を持たない者の遺言は無効となりますので、公正証書であっても無効となります。

法に触れる内容である

法律に違反している内容が含まれる公正証書は作成することができません。
例えば、法定利息率をこえる遅延利息率を設定している、重婚契約、犯罪行為の委託などは認められません。

内容の吟味を

公正証書はあくまで当事者たちの証言を元に作成する証書です。公証人は法的観点に基づく訂正はしてくれますが、内容の妥当性(例えば金額はもう少し多い方が良いなど)について意見することはありませんので、記載内容については予め当事者同士で詰めておく必要があります。あらゆる事態に備えるためにも、弁護士から法的なアドバイスを貰いながら決めていくことをおすすめします。