離婚慰謝料の算定法はあるの? | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年5月17日

離婚の慰謝料は、男女関係なく、離婚に至る原因となった有責配偶者が支払うものです。基本的にはお互いの話し合いによって決められますので、お互いが合意すれば言い値になることもあります。しかし実際には有責者の支払い能力を考慮して現実的な範囲で決められていきますので、有責者の年収によっては貰える額が制限されてくる可能性もあります。
では、具体的にどのように決められていくのかをみてみましょう。

離婚慰謝料

離婚慰謝料の種類

慰謝料とは、精神的苦痛を受けたことに対する対価です。慰謝料が発生するのは、不倫、DV、悪意の遺棄など精神的苦痛の伴う離婚原因がある場合に限られます。単なる性格の不一致などでは慰謝料を請求することはできません。
離婚の慰謝料には、①離婚に至った原因に対する慰謝料(離婚原因慰謝料)と②離婚そのものに対する慰謝料(離婚自体慰謝料)の2つの意味があります。2つの慰謝料を別々に請求することはなく、合算した総額を1つの慰謝料として請求することになります。
それぞれに決められた算出方法はなく、様々な要素によって決められていきます。

①離婚原因慰謝料

離婚の原因に対する慰謝料は、原因の種類によって下記の相場がありますが、具体的な金額は増減の要素によって決められていきます。

離婚原因ごとの相場

不貞行為 120~500万円
DV 60~300万円
悪意の遺棄 60~300万円
その他 12~300万円

増額・減額の要素

増額する要素 減額する要素
・婚姻期間が長い
・原因行為の期間が長い
・収入が多い
・精神科の診断書
・子供がいる(未成年はさらに増額)
・不倫相手の子供を作る
・不倫相手が若い
・不倫の主導者
・二度目
・暴力があった
・社会的制裁を受けている
・元々夫婦仲が悪い
・離婚原因の責任が自分にもある

②離婚自体慰謝料

配偶者のせいで本来はしたくなかった離婚をし、今後の人生への不安を背負わされたという点でも慰謝料は発生します。離婚そのものに対する慰謝料が離婚自体慰謝料です。
目安となる額を算出できる、弁護士会による計算式が存在します。

離婚慰謝料
=(基本慰謝料120万円+配偶者の年収×3%×実質的婚姻年数)×有責度×調整係数

実質的婚姻年数

実質的婚姻年数は、関係破綻後の別居期間も含めます。ただし20年以上はカウントできません。

有責度

配偶者との有責の割合を示したものです。完全に配偶者に過失がある場合には1を乗じます。自分にも過失がある場合には、過失の度合いで数字を減らします。配偶者と同程度の過失がある場合は、当然ながら0円となります。

有責度1 配偶者の一方的な過失
有責度0.2~0.9 一部自分の責任
有責度0 配偶者と同程度の過失

調整係数

最後に、離婚した後に見込める自分の収入状況によって増減させます。0.7~1.3まで乗じることで調整します。

調整係数1.3 収入の見込みなし
調整係数0.9~1.1 これから働くor配偶者よりも少額
調整係数0.7 配偶者と同程度の収入

計算例

婚姻年数15年、年収500万円の夫の不貞行為により離婚しました。無責任配偶者は専業主婦であり、パートで働いています。子供1人、不倫期間は10年間と長期間に渡るものでした。
離婚原因慰謝料は、350万円とします。
離婚自体慰謝料は下記のように想定することができます。
(120万円+500万円×0.03×15)×1×1.0=345万円
350万円+345万円=695万円と算定することができます。この金額を参考に交渉していくことになります。

適正額を確実に得るためには

慰謝料は交渉によって決められるものです。交渉の内容によって請求できる慰謝料の額は大きく増減します。また金額が決まったとしても、きっちりと支払いがされなければ意味がありません。口頭ではなく、法的な誓約書となる公正証書に残すことで不払いのリスクを減らすことができます。
弁護士に依頼することでより適性な額の慰謝料を請求することができ、公正証書の手続きについても請け負ってくれます。離婚の慰謝料を請求する際には弁護士に相談することをおすすめします。