民事裁判にかかる期間はどのくらい? | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年5月16日

裁判が始まってから和解や判決などの終局にいたるまでどのくらいの期間を要するのかは、案件ごとに変わってきますが、事件類型ごとに長短の特徴が存在します。例えば、単なる金銭的トラブルについては比較的短い期間で決着しますが、建物瑕疵や医療過誤など、専門性が高く立証の難しい案件については長期化する傾向にあります。
今回は平成26年における類型ごとの平均審理期間をご紹介します。なお、全体の平均期間は8.5ヶ月となっています。(過払い金請求事件以外だと9.2ヶ月)

期間

医療関係訴訟 平均23.3ヶ月

医療関係の訴訟とは、いわゆる医療ミスに対する損害賠償請求などを指します。平均訴訟期間は23.3ヶ月と平均期間と比較すると約3倍を要する長期間の訴訟となりますが、毎年短縮傾向にあります。2001年の医療集中部の設置により、東京、大阪などの主要都市の平均審理期間は大幅に短縮されています。

建築関係訴訟 平均17.8ヶ月

建築関係訴訟には、建物の瑕疵を主張する建築瑕疵損害賠償事件と、建物の請負代金を請求する建築請負代金事件があります。
前者の建築瑕疵損害賠償事件については訴訟が長期化する傾向にあり、平均審理期間は25.2ヶ月にも及びます。後者の建築請負代金事件については15.7ヶ月となります。完成してしまった建物の欠陥を証明することは難しく、その立証のために審理が長期化するとされています。

知的財産権訴訟 平均15.0ヶ月

元来審理が長期化する傾向にあった知財関係は、特許法改正などにより審理期間短縮化が図られ、平成10年頃には25.7ヶ月だったのが、平成26年には平均15.0ヶ月にまで短縮されました。ただし母数の件数が少ないため、1件あたりの期間に左右されやすくなります。

労働関係訴訟 14.3ヶ月

労働関係の訴訟は、平成20年のリーマンショックの影響もあり、平成21年以降件数が急増しました。それに伴い平均審理期間も年々長期化している傾向にあります。原告・被告、双方に訴訟代理人を立てる割合が増えており、審理期間の長期化と相関関係にあると考えられます。

交通事故関係訴訟 12.2ヶ月

交通事故の示談交渉が成立せずに訴訟に至った場合、平均審理期間は約1年となります。特に後遺障害の伴う案件の場合は長期化する傾向にあります。

全体的に長期化

民事訴訟の件数は、平成21年の過払い金請求ブーム以降減少傾向にあります。ただし過払い金案件以外の件数についてはここ10年ほど横ばいが続いています。
しかし審理期間については、年々長期化している傾向にあります。同様に、ここ数年で双方に訴訟代理人を選任する割合も大きくなっており、審理期間の長期化と相関関係にあることが推定されます。
その理由として、紛争が複雑化したことにより弁護士などの専門家による介入なしには解決が難しくなったことと、法的アクセスが整備されたことで主張不十分や欠席によって早期に判決が下ることが少なくなったことが挙げられます。
訴訟が長期化するほど当事者の負担は大きくなるため、審理期間の短縮に向けた裁判所のさらなる対策が求められます。