自賠責基準による入通院慰謝料の算定方法 | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年4月29日

交通事故で怪我をした場合、強制保険である自賠責保険によって最低限の補償を受けることができます。その補償内容の一つである入通院慰謝料は、怪我をしたことで受けた精神的苦痛に対する傷害慰謝料です。
怪我の苦痛を数値化することは難しいので、客観的な判断ができる入院期間や通院期間によって計算されます。入通院期間が長くなるほど苦痛が大きいと判断されるため、もらえる慰謝料は高くなります。
なお、入通院慰謝料の算定対象となる入通院期間は症状固定までとされており、後遺症が残るような場合には別途後遺症慰謝料にて補償が行われることになります。

弁護士基準の算定法

入通院慰謝料の3つの基準

入通院慰謝料には自賠責保険の他にも、任意保険による算定基準、弁護士会による算定基準があります。その水準は、自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準となっており、今回は基本となる自賠責保険による算定基準について紹介します。

自賠責基準の入通院慰謝料

自賠責基準による入通院慰謝料は、4,200円×入通院日数で算定することができます。
ここでいう入通院日数は、下記①②のうち少ない方の日数と定義されています。

入通院慰謝料=4,200円×入通院日数※
※入通院日数
① 症状固定までの総治療期間
② (入院日数+実通院日数)×2

①症状固定までの総治療期間

症状固定とは、治療してもそれ以上大きな回復が見込めない状態をいいます。症状固定は一つの区切りであり、傷害に対する賠償が終わることを意味しています。保険会社が症状固定を促すということは、補償の打ち切りを打診しているという意図があります。しかし症状固定を決めるのは医師と被害者であり、保険会社ではありません。むやみに症状固定の打診を受け入れないようにしましょう。
事故後入院をすることになり、退院してからも数回の通院を行ったとします。①は入院期間、すべての通院日、自宅療養期間すべてを含んでいます。図で表すと下記のようになります。

①症状固定までの総治療期間
入院期間 通院日 自宅療養 通院日 自宅療養 通院日

②(入院日数+実通院日数)×2

②は、自宅療養を含めない、実際に入院や通院など医療行為を受けた日数が対象です。図でいうピンクと黄緑の部分を2で乗じた期間となります。
通院回数ではなく日数で換算されます。1日に2件の病院をハシゴしていたとしても1日のカウントになります。

②(入院日数+実通院日数)×2
入院期間 通院日 入院期間 通院日

入通院慰謝料の算定

①と②を比較した時に少なくなる方が入通院日数となります。 下記を例に実際に算定してみましょう。

事故から症状固定までに90日かかり、その間、10日間の入院と25日間の通院、別日に整骨院へ5日通院しました。

①症状固定までの総治療期間は90日となります。②の通院日数は、10日間の入院+25日間の通院+5日を2で乗じた日数です。
① 90日
②(10日+25日+5日)×2=80日
となり、少ない方である②の80日が入通院日数となります。
入通院慰謝料は4,200円×80日=336,000円と算定されます。

自賠責保険の限界

自賠責保険の傷害による損害の限度額は、治療費含めて120万円までとなります。これを超えた額は任意保険で補われることになります。
自賠責保険による基準で算定された入通院慰謝料は、最低限の補償額となりますので、実際には弁護士基準などより高い基準での算定が望まれます。
弁護士基準での算定方法はこちら→弁護士基準での入通院慰謝料算定方法