交通事故が起きたらどこまで請求できる? | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年4月28日

交通事故などの違法行為によって損害を受けた場合には、損害賠償を請求することで損害の穴埋めをすることができます。損害賠償は、実質的な損害の他にも、未来に得られるはずだった利益についても請求が可能です。また、精神的な苦痛の対価についても請求することができます。今回は交通事故における損害賠償請求の内容について、属性別に簡単にまとめました。

損害賠償

損害賠償=財産的損害+精神的損害

損害賠償は、財産的損害と精神的損害に分けることができます。賠償の対象となるには、双方とも事故との因果関係が必要です。
人身事故の場合は、財産的損害と精神的損害どちらも認められますが、物損事故の場合は財産的損害のみ認められることが多いようです。

損害賠償の内訳

損害賠償は下記のような構成になっています。

財産的損害 積極損害 医療費関係
・入通院治療費
・入院雑費 1,100~1,500円/日
・入通院交通費
・入院付添費用(医師の証明が必要)6,500円~/日
・通院付添費用(医師の証明が必要)3,300円/日
・温泉、マッサージなど特別な治療費(医師の証明が必要)
物損関係
・修理費用
・積荷損害費用
・評価損
・代車使用料
その他
・弁護士費用
・裁判費用
・葬儀費用
消極損害 ・休業損害
・後遺症による逸失利益
・死亡した場合の逸失利益
精神的損害 ・入通院慰謝料
・後遺症慰謝料
・死亡慰謝料

財産的損害

財産的損害とは、事故によって発生した経済的な損害です。事故を受ける前の財産状況と事故後の財産状況の差額について考えます。財産的損害は、積極損害と消極損害に分けることができます。

積極損害

積極損害は事故による直接的な損害です。入院費用や車の修理代など、事故後に直ちに支払わなければならなかった金銭的な損失のことをいいます。
人身事故の場合は医療関係費、物損事故の場合は修理費用や積荷の被害額などが賠償の対象となります。医療関係費は、症状固定までが積極損害として扱われます。

消極損害

消極損害は、事故による間接的な損害です。入院中の給与のように、未来に得られるはずだった金銭的な利益を、事故によって失ってしまうことも考えられます。
消極損害には、休業損害と後遺症による逸失利益があります。休業損害は治療期間の収入補償です。逸失利益は後遺症が残った場合や死亡してしまった場合、健常時にもらえたはずの額との差額分を補償したものです。逸失利益は一生を補償するものなので、損害賠償の中で最も高額になります。

精神的損害

精神的損害への賠償とはいわゆる慰謝料と呼ばれるものです。交通事故の慰謝料には、入通院に対する慰謝料、後遺症に対する慰謝料、死亡時の慰謝料の3つがあります。これらの慰謝料は下記の基準により金額が定められています。

精神的損害(慰謝料)の3つの基準
自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準

最低水準が自賠責基準で、その分を補うように任意保険基準、そして最も高額となるのが弁護士基準です。交渉の際には、最も水準の高い弁護士基準の利用が望ましいとされます。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

入通院慰謝料は、怪我をしたことで受けた精神的苦痛に対する傷害慰謝料です。その程度は入院期間や通院期間によって計算されます。基本的には入通院期間が長くなるほどもらえる慰謝料は高くなりますが、長期になればなるほど増加率は小さくなっていきます。入通院期間は症状固定までとされています。

自賠責保険による入通院慰謝料の詳しい算出方法についてはこちら
弁護士基準よる入通院慰謝料の詳しい算出方法についてはこちら

後遺症慰謝料

症状固定後の慰謝料が後遺症慰謝料です。症状が固定し後遺症があると診断された場合、障害の程度によって後遺障害等級の認定がされます。
自賠責保険、任意保険、弁護士基準それぞれで等級ごとに慰謝料が定められています。
下記には自賠責保険基準と弁護士基準の比較表を載せています。自賠責基準と弁護士基準では2~3倍近く差があることがわかります。任意保険基準については会社ごとに定められていますが、自賠責保険基準と弁護士基準の間の金額帯となります。

自賠責保険基準 弁護士基準 自賠責保険基準 弁護士基準
1級 1,100万円 2,800万円 8級 324万円 830万円
2級 958万円 2,400万円 9級 245万円 670万円
3級 829万円 2,000万円 10級 187万円 530万円
4級 712万円 1,700万円 11級 135万円 400万円
5級 599万円 1,440万円 12級 93万円 280万円
6級 498万円 1,220万円 13級 57万円 180万円
7級 409万円 1,030万円 14級 32万円 110万円

死亡慰謝料

死亡事故が発生した場合には、被害者遺族が慰謝料を請求することができます。死亡慰謝料についても自賠責保険と任意保険と弁護士会の基準があります。
自賠責保険の死亡慰謝料は本人分350万円にプラスして、遺族(配偶者、親、子のみ)の人数によって額が算定されます。限度額は3,000万円となり、超えた額については任意保険より支払われることになります。
任意保険と弁護士基準は、死亡者本人の立場によって額が算定されます。自賠責のように定額ではなく相場額となります。今回も任意保険基準については省きます。

対象 金額
自賠責保険基準 本人(扶養者なし) 350万円
本人(扶養者あり) 570万円
遺族1名 550万円
遺族2名 650万円
遺族3名以上 750万円
弁護士基準 一家の支柱 2,600~3,600万円
母親、配偶者など一家の支柱に準ずる者 2,300~2,600万円
その他 2,000~2,500万円

過失割合で大きく変わる

保険会社との交渉では、損害賠償額の算出だけでなく過失割合についても話し合われることになります。過失割合によって実際に受け取れる損害賠償額が大きく変わってきます。1割でもこちらに過失があると判断されてしまえば、相手の損害額含めて総額の1割は負担しなくてはならなくなります。
過失割合についての交渉は、損害賠償請求において非常に大切な要素となりますので、弁護士を間に挟むなど慎重な対応が必要です。