裁判外紛争解決手続き(ADR)を利用しよう! | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年4月20日

法的なトラブルを公正かつ穏便に解決させる手段として、裁判外紛争解決手続(ADR)があります。トラブルは当事者同士での話し合いによる解決が理想ですが、中々うまくはいかないもの。かといって裁判を起こすほどの大事にはしたくないというような場合には、ADRによる解決が有効です。
ADRは、専門家などの中立的な立場の第三者を間に入れて、話し合いによってトラブルを解決する方法です。裁判と比較して経済的な負担が少ないことや短期での問題解決が図れるなどのメリットがあります。

ADR

どんな時にADRを利用すればいいの?

本人同士の話し合いでは公正に解決できなかった場合や、後腐れなく解決したい場合には、ADRによる解決が有効となります。

感情的になってしまう話し合い

不倫の慰謝料請求など、本人達だけでは感情的になってしまい話し合いが解決しない場合、第三者を入れることで冷静に解決することができます。

不平等な立場での話し合い

残業代の未払い請求など、雇用元である企業を相手取る争いでは、個人である従業員の立場が弱く、交渉を有利に進められない可能性があります。ADRを利用することで、間に専門家が入り公正な解決が実現できます。

早期解決が求められる話し合い

刑事事件となった交通事故など、判決が出る前に示談成立が必要な場合には、ADRによる早期の解決が可能です。

専門的な知識が必要な話し合い

ADRでは分野ごとに適した専門家が間に入りますので、正しい知見を交えることでお互いが納得できる解決方法へと導いてくれます。

良い関係性を保ったまま解決したい話し合い

ADRは和解を促す解決手段です。近隣トラブルなど、問題が解決した後にも相手との関係が続く場合に適した方法であるといえます。

ADRの種類

ADRは大きく分けて、あっせん、調停、仲裁に分けることができ、後者になるほど第三者機関の干渉が大きくなります。
3つとも手続き開始に相手の合意が必要であるという点で裁判とは異なります。解決に向けて相手が協力的でないのであれば、裁判の方が適しているといえます。またADRでのゴールは当事者同士の和解なので、法的根拠よりも当事者たちの意向が優先された結果になることに特徴があります。

あっせん

あっせんは、当事者達自身が解決方法を見つけるように促す方法です。あっせん人となる第三者は、具体的な解決策を提示するというよりは、お互いの誤解を解くなどして話し合いをスムーズに進める手伝いを行います。

調停

調停では、第三者が調停案を提示することで和解を促します。ただし和解案に強制力はなく、提示された側は拒否することができます。

仲裁

仲裁は当事者だけでの和解を目指すというよりは、確定判決と同等の効力を持つ第三者の仲裁判断によって解決する方法です。仲裁判断が下された場合、同じ内容でそれ以上争うことはできません。仲裁判断により強制執行を行うためには、別途執行判決が必要です。

あっせん・調停・仲裁と裁判の違い

開始の合意 解決案の提示 解決案の強制力
あっせん
(非公開)
必要 基本的になし なし
調停
(非公開)
必要 あり なし
仲裁
(非公開)
必要 あり あり
裁判
(公開)
必要 あり あり

ADRの利用方法

ADRを行う機関は、司法機関、行政機関、民間機関の3つに大分できます。民間ADR機関については、国の認定を受けることで和解などの仲介行為を行うことができます。なお、かかる費用はADR機関ごとに定められています。
ADRは一般的に次のような流れで行われます。

1.一方がADR機関にあっせん、調停、仲裁の申し立てを行う。
2.申し立てが受け付けられると、ADR機関が相手側に連絡を行う。
3.相手側の合意が得られたら、あっせん人、調停人、仲裁人の選定が行われる。
4.あっせん、調停、仲裁が行われ、和解が成立すれば終了する。
不成立の場合、仲裁の場合のみ仲裁判断に従う義務がある。

ADR手続代理も可能

ADRに参加する弁護士などの専門家は、どちらか一方の都合に合った助言などは行いません。あくまで公平な立場で問題解決を導きます。もしも自分に有利な助言が欲しい場合には、別途弁護士に依頼が必要です。弁護士はADRの代理人を務めることができますので、対応が不安な場合はすべての手続を任せることが可能です。