遺言書の種類と選び方のポイント | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年3月16日

遺言書は、相続を巡るトラブルを避けるために作成する法的文書です。遺言書には3つの種類があり、どの方法を選ぶかは、かける費用や機密性の度合いによって決まってきます。それぞれの特徴と選び方のポイントを紹介します。

遺言書

遺言書とは 遺書との違い

遺言書とは、自分の死後における財産分与について記載した文書です。財産に関することだけでなく未成年後見人の指定や認知なども可能です。遺言書には所定の書式があり法的な拘束力があります。
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、状況により適した方法を選択する必要があります。
対して遺書は生前に思っていたことなどを自由に書き連ねた手紙のようなもので、法的な拘束力はありません。

1.自筆証書遺言

自筆証書遺言は、その名の通り、本人による自筆の遺言書です。いつでもどこでも書くことができますが、次の内容が明記されていなければ遺言書としての効力は認められません。

・表題に遺言書と記載
・遺産を誰にどれだけ分与するかを具体的に記載
・遺言成立の日付
・遺言者の住所と氏名(連名はNG)と押印

遺言者死亡の際には勝手に開封してはならず、家庭裁判所に提出し有効性の確認などの検認を受ける必要があります。

自筆証書遺言を選ぶポイント

・費用や手間をかけたくない
・誰にも内容や存在を知られたくない
・変造や隠匿などのトラブルが起こる心配がない

2.公正証書遺言

遺言書の作成から保管まで、第三者機関を交えて行う方法です。財産額に応じて手数料が設定されています。
全国に約300箇所ある公証役場にて、そこに務める公証人が遺言者本人からのヒアリングを元に作成する遺言書です。公証人は国選の法律専門家です。裁判官、検察官、弁護士などキャリアを積んだ法曹や学識経験者から選ばれますので、確実性のある書類が作成されます。遺言者が自由に動けない身体の場合は公証人の出張も可能です。
作成の際には、2名の証人の立ち会いが必要です。証人は、信頼できる友人など、遺言者と公証人にとっての第三者的な立場の人物のみが務めることができます。思い当たらない場合には、自費で司法書士や弁護士に依頼するか公証役場に紹介してもらうことも可能です。
作られた遺言書は公証役場にて保管されますので変造や紛失の恐れがありません。死亡後、家庭裁判所の検認は不要なため、すぐに内容を執行することができます。

公正証書遺言を選ぶポイント

・費用をかけても良いので確実に実現させたい
・死後すぐに内容を実現させたい
・相続額が大きいためトラブルを避けたい

3.秘密証書遺言

遺言書は自分で作成しますが、封書の際に第三者機関を用いる方法です。一律定額の手数料が必要となります。
遺言書は代筆やPC作成でも構いませんが、自筆署名と押印が必須となります。作成した遺言書を公証役場に持参して、公証人と証人2名の立ち会いのもと封書の手続きが行われます。手続き後は持ち帰り各自で保管することになります。
また遺言者死亡の際には、家庭裁判所の検認が必要となります。

秘密証書遺言を選ぶポイント

・遺言内容を秘密にしておきたいが、存在は知られておきたい
・変造の心配がない
・あまり使われない方法

一番確実なのは公正証書遺言

自筆証書遺言と秘密証書遺言は自分で作成するのに対し、公正証書遺言は専門家による作成であるため、内容不備による無効はまずありません。また、公証役場での保管となるため紛失や変造の恐れもなく、確実に意思を反映することができます。トラブルを避けるためには公正証書遺言の方法を取ることをおすすめします。
ちなみに証人や遺言内容の執行人は、弁護士や司法書士に依頼することができますが、弁護士であれば紛争になった場合でも対応することが可能です。