海外の人を日本で訴えることはできるの?海外在住者との民事訴訟 | 弁護士の選び方 | 弁護士がおすすめする東京・千葉・埼玉・神奈川の法律事務所
2017年2月20日

海外の人からお金が返ってこない!海外の人を訴えたい!
海外在住の人との間にトラブルが起きた場合、日本の法律で裁くことはできるのでしょうか?

海外の人を訴えたい

国際裁判管轄とは?

海外とのトラブル(渉外事件)が起きた場合、どこの国において取り扱うのか(国際裁判管轄)が問題になってきます。どこで裁判を行うかは、非常に重要な問題です。例えば海外で訴訟を起こすとなると、渡航にお金も時間もかかるため日本で行うよりも多くの労力がかかります。渉外事件の裁判管轄については、国によってそれぞれ定められており、国際的に統一された規則はありません。

日本の裁判所で扱えるのは、原則被告が日本在住の場合

日本では2012年4月の民事訴訟法改正で、はじめて国際裁判管轄についての規定が作られました。それまでは判例に従って判断されていました。規定では、原則訴えたい相手の住所や居所が日本にある場合、日本に裁判管轄があるとしています。相手が法人の場合は、事業所や営業所の住所、代表者や担当者の住所が日本であれば適用されます。
ただし被告が海外在住であっても、下記の場合は日本に裁判管轄があると定めています。

契約履行地が日本である

日本で履行されることが定められている契約の不履行があった場合、日本の裁判管轄になります。例えば日本で商品の受け渡しがある場合などは、日本が契約履行地になり、裁判管轄もまた日本に認められることになります。

不法行為地が日本である

日本で不法行為があった場合、日本の裁判管轄になります。例えば海外の人が日本で交通事故をおこした場合、日本で損害賠償請求についての訴訟を起こすことができます。
また不法行為があった結果地が日本である場合も適用されます。例えば日本で買った海外製品によって怪我をするなどの不利益を被ったケースです。ただし、制作者側がそもそも日本で売られることを想定して作っていなかった場合は除きます。

財産や不動産の所在地が日本にある場合

金銭や土地などの請求の目的が日本にある場合、日本に裁判管轄があります。

消費者や労働者による訴えである場合

日本の消費者が海外の事業者に対して訴えを起こす場合や、日本で働く労働者が海外の雇用主へ訴える場合は、日本の裁判管轄となります。逆に、事業者側・雇用主側からの訴えは適用外となります。

当事者同士の合意があった場合

上記以外でも、契約書に交わすなどとして当事者同士が日本での裁判管轄に合意している場合でも認められます。

国外への訴状送達

日本に裁判管轄権があり日本で裁判を行った結果、日本の法律に基づいて損害賠償の請求が認められる判決が出たとします。しかしその判決執行が相手先の国で承認されるかどうかは、また別の問題になってくるのです。
日本の判決を海外で行使するためには、外国の裁判所で承認及び執行の手続きを行う必要があります。その国が同様の条件下で日本の判決を有効だと認めてくれる(相互保証)かが重要となってきます。相互保証がないと判決の承認は難しくなります。そのような場合、一般的には相手国や第三国の仲裁機関を利用して紛争を解決することになります。

渉外事件は慎重に

海外在住者との訴訟を行う場合、裁判管轄がどこの国にあるのかと、その国との間に相互保証が認められているかが重要になります。裁判管轄が相手国である場合、余計なお金がかかる上、相手国の法律の知識も必要になりますので、裁判の難度が上がってしまいます。また相互保証が認められていない場合、裁判を起こすことでかえって紛争が解決できなくなってしまうこともあります。
訴訟を起こす前に渉外事件を得意とした弁護士へ相談することをおすすめします。また、海外取引を行う場合は、有利に進めるために事前に弁護士に相談することも大切です。